家族問題研究学会Japanese Council on Family Relations


2009年度 公開シンポジウム「『ひきこもり』から家族と社会を問い直す」


 今年度のシンポジウムは、「『ひきこもり』から家族と社会を問い直す」をテーマに開催いたします。「ひきこもり」に向けられる関心は近年ますます高まってきていますが、ひきこもりというレンズから現代の家族はどのように見えてくるのか、ひきこもりという問題への対応をめぐって家族や社会のゆくえをどのように捉え直すべきかについては、経験的なデータにもとづく議論はまだ不足していると思われます。こうした議論を深めることは、家族の未来とこれからの家族研究の可能性を探る試金石となるでしょう。
 そこで今回のシンポジウムでは、ひきこもりの解決を目指した実践と社会学的な議論との対話を深めることで、この課題に接近したいと思います。実践の現場からは、NPO法人ニュースタートの二神能基さんをお招きして、若者を支援する活動を通じてみえてくる家族と社会の問題点についてお話をいただきます。さらに、ひきこもりと家族の接点にかかわる研究を手がけてこられた愛知教育大の川北稔さんから、ひきこもりをめぐる社会学的研究の視点から家族はどのように問われている/問われうるのかをお話しいただきます。討論者として、ひきこもりにかんするフィールドワークを長く経験してこられた石川良子さんから、調査現場の経験も踏まえたコメントをいただきます。

日時:2009年7月18日(土) 14:00 〜 16:00
会場:早稲田大学文学部戸山キャンパス36号館682教室
      (参加費:会員は無料、一般非会員は500円、学生非会員は100円)
司会:田渕六郎(上智大学)・久保桂子(千葉大学)
討論者:石川良子(明治学院大学ほか非常勤講師)

報告者1:二神能基(NPO法人ニュースタート事務局代表)
報告題目:「若者支援の実践からみる家族と社会――<家族をひらく>ということ」
要旨:NPO法人ニュースタート事務局では、1994年からの「イタリア・ニュースタート・プロジェクト」以来、不登校やひきこもりの若者を支援する活動に取り組んでおり、「レンタルお姉さん」などの独自の試みを通じて、多くの社会的注目を集めてきた。拙著『希望のニート』(新潮文庫)でも論じたように、ニュースタートの重要な理念は<家族をひらく>ことである。それは、問題を中に抱え込みがちな「自閉する家族」を、地域などの社会関係にひらいていくことを意味するが、<家族をひらく>天使であるレンタルお姉さん等の実践の現場において<家族をひらく>には様々な困難があることも事実である。本報告では、若者支援の実践をふまえて、現代家族と社会にたいする診断と提言を提示してみたい。

報告者2:川北稔(愛知教育大学)
報告題目:「曖昧な生きづらさと家族――ひきこもりを通じた家族の再構築」
要旨:ひきこもりの研究において、ひきこもる行為に焦点を合わせ、その背景を社会的な要因に求める方向性があり得る。他方で、「ひきこもり」という曖昧な問題が社会に広げた波紋それ自体の検討から得られるものも多い。本人が抱える困難の多様性や、制度的支援の進展の挟間で、家族は新たな役割や人生計画を模索してきた。家族会でのフィールドワークの経験を交えながら、ひきこもりを通じた家族の再構築について考察したい。
 


 

      

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