家族問題研究学会Japanese Council on Family Relations


2011年度 例会


2011年度第三回例会 日時:2012年3月31日(土) 14:00 〜 16:00
会場:早稲田大学文学部戸山キャンパス36号館682教室
司会:和泉広恵(日本女子大学)

報告者1:渡井さゆり(特定非営利活動法人「日向ぼっこ」理事長、厚生労働省社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会委員)
報告要旨:子どもの頃、母の日や父の日が嫌いでした。スーパーや飲食店に貼りだされる、子どもが心を込めて描いた「お母さん/お父さんの似顔絵」は、 「世の家族はこのように仲睦まじく生活しているものなのか」と私を落胆させました。実の家族に恵まれず、社会的養護の下で生活をした人たちは、その後も社会的排除を感じています。 その実情や求められている支援について、当事者活動や退所後支援をさせて頂いている立場からお話させていただきます。

・渡井さゆりさんのご紹介
渡井さんは1983年大阪府のお生まれで、ご家庭の事情から小学校2年生の時に母子生活支援施設に、4年生から高校卒業までは児童養護施設に入所されていました。 大学在学中の2006年に社会的養護の当事者参加推進団体「日向ぼっこ」を結成され、2008年にNPO法人化。現在、理事長兼当事者相談員を務めておられます。ご著書に『大丈夫。がんばっているんだから』(2010年徳間書店)があります。
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2011年度第二回例会 日時:2012年3月10日(土) 14:00 〜 16:00
会場:早稲田大学文学部戸山キャンパス36号館682教室
司会:田渕六郎(上智大学)
企画趣旨:本学会報告は、生協総研プロジェクト「子育て期女性のエンパワメント研究会」の研究成果発表の 一部である。本研究プロジェクトの大きなテーマは、「ケア労働が女性のエンパワメントにどう機能しているのか、子育て・介護の社会化に何を意味するのか」である。 以下3つの報告から構成される。

報告者1:相馬直子(横浜国立大学)
報告題目:「都市における子育て支援活動/事業/労働の編成―子育て支援者の身分保障を考える」
要旨:現在、子育て支援の制度化過程において「子育て支援活動/事業/労働」の編成がみられる。 育児分野は、介護分野のように制度がカバーする支援行為が政策的に体系化されていないこともあり、 「介護労働」のような形で、「子育て支援労働」とは概念化されていない。 子育て支援をめぐる活動/事業/労働の境界に関する研究も途上であり、子育て支援者の身分保障の議論も蓄積されているとはいいがたい。 「子育て支援」をめぐる様々な活動/事業/労働は、制度化過程でどう編成され、その社会経済的価値はどういった基準で設定されているのだろうか。 本報告では「子育て支援」をめぐる行為や関係が、制度設計の中に問題化・対象化されるアプローチや考え方について都市部自治体の事例から検討する。 本報告は、子育て支援者の身分保障を議論するための土台づくりと位置づけるとともに、子育て支援の制度化過程における日本的エンパワメントの一端が示される。

報告者2:堀聡子(東京女子大学大学院)
報告題目:「『子育てひろば』における利用者たちの社交とエンパワメント ―横浜市港北区の事例から」
要旨:近年、「子育てひろば」(以下、「ひろば」)が全国的に増加している。 「ひろば」とは、政府によると、子育て中の親子の孤独感や不安感の緩和を目的とした親子の交流の場である 。本報告では、この「ひろば」が社会学的にみた際にどのような場であるのかを、母親たちの相互作用に着目しながら検討する。 「ひろば」での母親たちの相互作用に着目した先行研究では、子育てをめぐる情報の共有などとともに、彼女たちがそこで行う 「他愛のない会話」の重要性が指摘されている。本報告では、「ひろば」での参与観察や母親とスタッフへの聞き取りをもとに、 そうした「他愛のない会話」を介して遂行される「社交」が、なぜ重要か、また、彼女たちはそれらを通じて何を行っているのかを考察する 。そこからは、彼女たちが「社交」を通じてパフォーマティブに共同的な関係性を構築するとともに、自己の生きる多様なリアリティを創出していることが明らかになる。

報告者3:橋本りえ(横浜国立大学大学院)
報告題目:「ワーカーズ・コレクティブの『溝』現象とその構成要素 ―NPO法人Kへのアンケート調査を通じて」
要旨:介護保険制度は社会に様々な点で変化をもたらした。その一つに、労働市場で女性が仕事として介護を担う構造の形成がある。 加えて、措置時代から活躍する住民参加型組織は財政的な組織基盤を獲得する機会を与えた。本報告では、 住民参加型組織の一つであるワーカーズ・コレクティブに着目し、介護保険事業に参入したことによりこれらの組織内に起きた現象を検討する。 具体的には、NPO法人Kを対象に報告者が実施したアンケート調査の結果を用いて、ワーカーズ・コレクティブで活動するワーカーの意識や志向性の分析を行う。 その際、メンバーを「介護保険事業参入以前に入会したメンバー」と「介護保険事業参入後に入会したメンバー」の2つのカテゴリーに分けて分析することによって、 ワーカーズ・コレクティブに起こる「溝」現象とその構成要素を明らかにする。
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2011年度第一回例会:
日時:2011年5月21日(土)14:00〜16:30
会場:早稲田大学文学部戸山キャンパス36号館681教室
司会:田渕六郎(上智大学)

報告者1:徐琴(お茶の水女子大学大学院)
報告題目:「中国女性農民工のライフコースと家族生活―家族関係維持のための戦略に注目して」
要旨:本研究は、都市に出稼ぎに出た中国の既婚女性農民工たちが、地理的距離を超えていかにして家族関係を維持しているかを、ライフコース論と 家族戦略論を用いて明らかにすることを目的とする。夫婦関係については、出稼ぎ時の子どもの年齢段階、その後の交流の頻度や内容により影響が 異なるが、おおむね良好な母子関係が保たれていた。

報告者2:ノルマ・クエルボ(お茶の水女子大学大学院)
報告題目:「現代日本における配偶者選択に関する探索的研究」
要旨:本研究は、近年の若者の結婚行動に注目し、現代日本における配偶者選択のメカニズム、および結婚に至るプロセスに関わる要因を検討し、 それらの関係性を考察することを目的とした。その際、14組の日本人の異性愛初婚夫婦を対象に出会いから結婚に至るまでの過程について、ペアインタビューによる ヒアリング調査を行った。先行研究のレビューを行い、そこで得られた知見と本研究で行った調査の結果を基に理論モデルを構築し、提案した。

報告者3:小笠原通子(立教大学大学院博士課程前期課程修了)
報告題目:「浮遊する<女の子 designtimesp=30612>とその行方―表象、ジェンダー、アイデンティティ、経験をめぐるライフストーリー」
要旨:これまで女性学において主題とされてきたのは「女」という主体が中心だったが、女性たちは「女」だけになるのだろうか。本報告は、「女の子」は いかなる社会的存在なのか、いつの間にか「女の子」となり、また「女」にもなってゆくだろう女性たちにとって、「女の子」としての経験がジェンダー・アイデンティティや 日常のコミュニケーションにおいてどのような意味性を持っているのか、青年期以降の女性たちへのライフストーリー・インタビューから明らかにすることを試みた。

報告者4:谷沢英夫(早稲田大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了)
報告題目「スウェーデンにおける家族政策の展開と男女共同参画社会への挑戦」
要旨:日本の保育園不足、女性の仕事と育児の両立困難、男女不均等が超少子化の原因とされている。この点で大きな成果をあげているのがスウェーデンである。 論文は、同国の1800年代の農業時代まで遡り、近代化に伴う女性の役割・地位の変化を人口学的視点に立って探求し、工業化、都市化の過程で生まれた家族政策が戦後どの様に 発展し、女性の職業と家庭・育児の両立と出生率の安定化に資することになったのかを明らかにすることを目的とした。資料として、各種統計書、人口研究書、国会議事録、教育要綱、政党アンケートなどを用いた。


 

      

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