家族問題研究学会Japanese Council on Family Relations


2013年度 公開シンポジウム「子どもの人権と親権制度―これからの親子関係を考える」


 今年度のシンポジウムは、「子どもの人権と親権制度―これからの親子関係を考える ―」をテーマに開催します。2012年4月から、親権停止を新たに盛り込んだ改正民法が 施行されました。虐待から子どもを守るための重要な法改正であり、家族研究におい ても親権についての議論を深めていく必要があります。今回のシンポジウムでは、長 年にわたって子どもの権利を守る活動に携わり、2004年からは、虐待や家庭崩壊で帰 る家のない子どものシェルターである「カリヨン子どもの家」を運営されている坪井 節子氏に、子どもの人権と親権制度の改正の意義、さらに、傷ついた子どもたちの回 復のために必要なことをお話ししていただきます。そして、児童福祉学の立場から森 田明美氏に、現在の家族の抱える問題とともに、子どもの権利を守るために地域や社 会が子どもの育ちをどのように支えていくのかについてお話しいただきます。このお 二人の報告を受けて、家族研究の立場から庄司洋子氏にコメントをいただきます。 家族問題研究学会のシンポジウムに相応しい議論ができますよう、多くの会員のみな さまの参加をお待ちしております。

日時:2013年7月27日(土) 14:00 〜 16:30
会場:明治大学駿河台キャンパス・リバティータワー1133教室(13階)
   (参加費:会員は無料、一般非会員は500円、学生非会員は100円)
司会:久保桂子(千葉大学)・松木洋人(東京福祉大学短期大学部)
討論者:庄司洋子(立教大学名誉教授)

報告者1:坪井節子(弁護士、カリヨン子どもセンター理事長)
報告題目:「虐待と親権制度―傷ついた子どもに寄り添って―」
要旨:カリヨン子どもセンターは、虐待を受けて、自傷や非行に陥り、帰る 家のない十代後半の子どもたちのシェルターを運営する。子どものSOSを受けて避 難させ、スタッフが一緒に暮らし、食事を共にする。それぞれの子どもに弁護士が選 任され、話を聞き、親や学校と交渉し、児童相談所等と協力して、行き先を探す。医 療やカウンセリングも受けられる。設立以来9年、延べ230人以上が避難してきた。  心身共に傷ついた子どもの回復は容易ではない。しかし寄り添う大人を信じること ができたとき、子どもたちの命の灯が燃えだす。子どもの人権保障の原点はそこにある。  親権制度が改正されたが、親の支配から逃れて自立しようとしている子どもにとっ て、高校通学、大学進学、就労、医療、アパートの賃貸借など、親権が問題になる ケースは少なくない。親権を子どもの権利保障の視点から、とらえ直す必要がある。

報告者2:森田明美(東洋大学教授、子どもの権利条約総合研究所副代表)
報告題目:「子どもの権利を基盤にした児童福祉を考える」
要旨:日本は、長く家庭に家族の地域での暮らしの支えを委ね、どうしても 家庭で暮らせなくなると病院や施設を利用して、その問題を解決してきた。1980年代 施策化が進んだ高齢者福祉は、地域福祉という社会福祉の分野を利用して課題はある にせよ展開してきた。地域で暮らしたいという障がい者もまた地域福祉施策として取 り組まれてきている。それに対して子どもの福祉は、家族依存から抜け出られない。 子どもの貧困やいじめは深刻化し、とうとう単独の法律が作られるに至っている。都 道府県の児童相談所を中心にして展開してきた保護的な児童福祉施策は量的に不足 し、基礎自治体での取り組みにはなかなか移行しない。そうした中で地域の中心的な 事業になるべき地域育成事業である児童館は貸館と化し、保育所も都市部では待機児 があふれている。これでは、こうした地域の施設に保護が必要になった子どもの回復 への支援や、保護に至る前に予防的な支援を期待することはできない。  養育課題を抱える子どもや子育て家庭の地域生活は、崖っぷちに立たされている。 児童福祉政策の課題を自己責任として背負わされる子どもたちの苦しさを私たちはど のように解決していくのかについて、いくつかの事例をもとに考えてみたい。


 

      

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