例会
2023年度第1回例会のご案内
2023年度第1回目の例会は、「親の離婚後の子どもと別居親との交流について」と題し、下記の通り開催いたします。
毎年約20万件の離婚があり、約20万人前後の未成年の子どもたちが親の離婚を経験している現代。離れて暮らしている「別居親」と子どもとの関係やその影響については、家族研究の領域でもこれまで注目されていません。
今回の例会では、慶應義塾大学の稲葉昭英先生と、東京都で離婚後の両親による共同養育支援を展開している一般社団法人りむすび代表のしばはし聡子氏をお招きして、子どもの立場から見た離婚・再婚後の家族・親子関係について考えてみたいと思います。
日 時:2023年12月9日(土)14:00~16:00
会 場:日本大学文理学部キャンパス3号館3403教室(オンラインも併用します)
参 加 資 格:会員・非会員ともに事前登録が必要です
第一報告:稲葉昭英氏(慶應義塾大学・家族社会学)
報告題目:離別母子世帯における別居父と子の交流とその意味
報告要旨: NFRJやJGSSなど、家族研究に使用されることの多い大規模公共利用データにおいては、配偶者と離別した人たちに対して元配偶者との現在の関係を問うことをしていない。これは、対象者の反発を受けるからというよりも、離別後には元配偶者は家族の一員ではなくなり、かかわりがなくなっているからという前提が置かれていたからであるように思われる。しかし、この想定は本当に妥当なのだろうか。
本報告では離別母子世帯における別居父と子との関係が子に及ぼす影響を無作為抽出にもとづく確率標本データを用いて検討する。中学3年生の子を対象にした分析の結果、別居父は女子に対して表出的なサポートの提供者として少なからぬ役割を有していることが示された。このことは、従来の家族に関する社会調査のデザインに根本的な反省を迫ると同時に、改めて離別後の面会交流の持つ意味が大きいことを示唆している。
第二報告:しばはし聡子氏(一般社団法人りむすび代表)
報告題目:離婚後の共同養育に向けた支援のあり方および実践例の紹介
報告要旨:一般社団法人りむすび(以下、当会)は離婚後の共同養育実践に向け、カウンセリング、面会交流支援、離婚協議(ADR)、同居親・別居親が集うコミュニティ運営、および共同養育の普及活動を行っている。離婚家庭の子どもが望むことは両親が争わないことであり、そのために必要なのは離婚協議で関係を悪化させずに、夫婦から親同士の関係を再構築することである。
裁判所では法的に条件交渉が行われ対立構造が深まりがちだが、当会は心理的アプローチに特化して夫婦間のわだかまりの解消を行い、両親が争わない共同養育を実践できるよう、別居前から離婚後までワンストップサポートを行っている。
本報告では、当会の支援体制を紹介するとともに、高葛藤ケースへの具体的な介入方法やADRの必要性、および多様化する共同養育の実践ケース紹介を行い、支援のあり方や課題を提唱する。
討論者:菊地真理(大阪産業大学)
司会:藤間公太(京都大学)
【例会会場ご案内】
・京王線・東急世田谷線 下高井戸駅 下車 徒歩8分
(新宿・渋谷から10~12分)
・京王線 桜上水駅(急行停車駅) 下車 徒歩8~10分
・小田急線小田急線 経堂駅 下車 徒歩20~25分
キャンパスまでの地図は、
https://chs.nihon-u.ac.jp/about/access/
を御参照ください。
キャンパス内の地図は、
https://chs.nihon-u.ac.jp/about/campus/
をご参照ください。
*事前登録の方法:以下のリンクあるいはQRコードより登録用フォームにアクセスして必要事項をご記入の上で回答を送信してください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdZRGA8o4bQcHAeAHB24zewZRVYUTJJ6oDrwA0iol28DVFhNQ/viewform
12月5日(火)までに事前登録された方には配布資料へのアクセスについてメールにて連絡いたします。また、オンライン参加用のURLも併せてお知らせします。12月6日(水)以降に登録された方には、それぞれこのフォームの確認メッセージにてお知らせする予定です。
会場ではeduroamなどのWi-fiの利用も可能になる予定ですが、個別の接続の不具合には対応できない可能性もあります。
当日の紙資料の配付は行いませんので、念のため、資料は事前にお手元のPC等にDLしてご持参ください。