例会
2024年度第1回例会のご案内
2024年度第1回目の例会は、「メディアと家族政策」と題し、下記の通り開催いたします。
家族政策のあり方は、常に論争を呼ぶ。ここ10年のあいだでも、保育園待機児童問題、埼玉県の「子ども留守番禁止」条例案、いわゆる「共同親権」問題など、様ざまなテーマが社会問題化してきた。
家族政策をいったいどのように構想するのかは、近年重要なテーマとして、家族社会学分野でも取り上げられる。何より本学会にとって、社会問題と研究をどう架橋していくかは、重要な課題である。
そこでこの12月例会では、メディアと家族政策をテーマに、報道関係者と研究者それぞれの立場から、ご発表いただく。
まず、報道関係者として、溝上由夏氏(テレビ朝日)にご登壇いただく。溝上氏は、報道番組制作を通じ、こうした家族政策が社会問題化する過程に最前線で向き合う立場にあった。溝上氏には、メディアにおいて「家族」が問題として取り上げられる過程について、番組制作者の立場から問題提起をしていただく。
もう一人、社会学の立場から、倉橋耕平氏(創価大学)にご登壇いただく。倉橋氏は長年、いわゆる保守言説の研究をされてきた。保守言説の中で、「家族」がどのような問題として取り上げられ、それが家族政策とどうリンクしたのか。研究者の立場から問題提起をしていただく。
当日は、お二人の発表を踏まえながら、フロアを交えつつ活発な議論ができることを期待している。
日 時:2024年12月8日(日)14:00~16:00
会 場:慶應義塾大学三田キャンパス西校舎西校舎532教室(オンラインも併用します)
参 加 資 格:会員・非会員ともに事前登録が必要です
第一報告:溝上由夏氏(テレビ朝日報道局 ABEMAヒルズデスク/ABEMAGLOBEプロデューサー)
報告題目:「家族にまつわる事柄」をニュースにするための“戦略“
報告要旨:「隠れ待機児童」「お留守番禁止条例」「離婚後の家族“スピード審議“」――これらは私が作った家族政策に関わるニュースにつけたタイトルです。少し捻りを効かせたキャッチ―なタイトルは視聴者の興味を惹くためだけのものではありません。実は「社内の壁」を乗り越えるためにも重要な役割を持っているのです。
近年、家族を巡る政策はSNSなどで注目され社会問題化する一方で、ニュース制作の現場では「おんなこども」の話題として軽視される傾向にあります。原因のひとつに挙げられるのは、報道現場の意思決定層に女性が少ないことです。家族政策をニュースにするには今なお高いハードルが存在しています。この発表では、ジェンダーバランスが不均衡な報道現場で家族政策の問題をニュースにするべく「社内の壁」を突破してきた発表者が蓄積した交渉戦略やノウハウなど実例を交えてお話できればと思います。
第二報告:倉橋耕平氏(創価大学)
報告題目:右派言説の家族観:戦争システムと植民地主義
報告題目:日本の右派にとって「家族」は最も「保守/復古」しなければならないものであり、2000年代以降、数多くの政策に「家族」や「家庭」という文言・価値を盛り込んできた。では、右派言説において、家族はどのようなものとして位置付けられており、「家族」がどのような問題として取り上げられ、それが政策とどうリンクしたのか。また、各政策間にどのような梯子をかけて連動しているのか。本報告では、これらの疑問にたいし、右派言説での主張を確認する。そして、右派の家族観の本質が戦争システムへの志向であることを確認し、植民地支配責任の否定するロジックとどこで節合するのかという試論的な作業もしてみたい(知らんけど)。
司会:木下衆・菊地真理
【例会会場ご案内】
・田町駅(JR山手線/JR京浜東北線)徒歩8分
・三田駅(都営地下鉄浅草線/都営地下鉄三田線)徒歩7分
・赤羽橋駅(都営地下鉄大江戸線)徒歩8分
三田キャンパスまでのアクセス、また三田キャンパス内の地図は、以下のリンクをご参照下さい。
会場の西校舎は、キャンパスマップ5番の建物です。
https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html
事前登録の方法:以下のリンクあるいは QR コードより登録用フォームにアクセスして必要事項をご記入の上で回答を送信してください。
https://forms.gle/uyym5QZeyvN66C8m8
12月3日(火)までに事前登録された方には配布資料へのアクセスについてメールにて連絡いたします。また、オンライン参加用のURLも併せてお知らせします。 12月4日(水)以降に登録された方には、それぞれこのフォームの確認メッセージにてお知らせする予定です。
会場ではeduroamも利用できますし、参加者のWi-Fi利用が可能となるよう、キャンパスに申請中です(個別の接続の不具合には対応できません)。
当日の紙資料の配付は行いません。資料は事前にお手元のPC等にダウンロードしてご持参ください。